ナショナル PX-415

下電子工業の中波専用ポータブル 4球スーパー

PX-415の銘板
PX-415の裏蓋に貼り付けられた銘板と回路図
PX-415のシャーシ
PX-415のシャーシ

 これは電池管と呼ばれるフィラメント電圧が1.5Vで動作する球(直熱管)を使った,電池で動作するポータブル機.フィラメント用の電源には1.5Vの単1乾電池,プレート用の電源には67.5Vの積層乾電池(BL-145)の2種類を使用する.球の構成は1R5,1T4,1S5,3S4の4球で1950年代のものと思われる.
 中波は540~1600kHzで選局と音量調整は上部のつまみで行う.初期のフェライトバー・アンテナが内蔵されており,外部アンテナ端子はない.音声出力は120mWでトランジスタのポケット・ラジオと同等で感度は現代のポケットラジオにおよばないが,実用には十分に使える.音質は意外とよくこれも長く聞いていても疲れない.イヤホン端子などはない.

電池管ラジオ
PX-415の内部

-気になる電池-
 67.5Vの積層乾電池(BL-145)は現在入手ができないので,006P積層電池を7個直列にして使用するしかない.電池を収納するために4個と3個に分割して収納した.単1電池は一般のアリカリ電池が使用できる.
 枕元で電池管ラジオを使って,寝落ちすると朝には電池切れとなる.006P積層電池×7個を一晩で使い切るので,そのランニングコストは現在でも高いと言える.今となっては電池で動作する真空管ラジオは稀有なので,たまに近所の公園などで使ってみるとよいと思う.なお電池管ラジオはトランジスタラジオと同様に電源を入れるとすぐに鳴る
 普段使いにはランニングコストが高く,別途電源を用意する必要がある.しかしデスクサイドやリビングなどでたまに使うと,1950年代のアメリカンテイストが味わてちょっとした贅沢気分に浸ることができる.

67.5Vの電池して006Pを7個直列で使用した

-購入時の状態-
 これはジャンクとして入手したものの,電池管ラジオの生産数は少ないため高価(7Kほど)だった.購入時の状態は,音量連動の電源スイッチの不良(2回路)で電源が入らず.フェライトバー・アンテナの断線・発振コイルのリード線が腐食していた.

PX-415のフェライトバーアンテナ
修復したバー・アンテナ
これはリッツ線をハニカム巻きしているもの

修理と調整-
 まずは電源スイッチを交換したかったが,1MΩで2回路の連動スイッチ付きの可変抵抗は入手できない.これは電池管ラジオの専用品と思われる.2回路のうち1回路は生きていたので,フィラメントのスイッチとして使用し,67.5Vは常時接続とした.電源OFF時の電流は測定不能なほど少なく,実際の使用には特に問題はない.
 バー・アンテナのリード線にはビニル・テープが巻かれており,それを外すと接着剤でリード線が腐食していた.ここはリッツ線(極細のエナメル線が数10本撚られたもの)ので多分はんだ付けができなかったのだろう.ここは慎重にはんだで修正を行う.
 これら修理を行って動作確認をすると,ノイズは聞こえるものの同調ダイヤルを回しても放送が受信できない.局部発振が停止しているので,局部発振コイル周辺を目視で慎重に確認すると,発振コイルのリード線腐食を発見して修正.放送の受信を確認して,455kHzのIFT調整とアンテナ段と発振段のトラッキング調整で周波数表示の位置にダイヤルを合わせる.

PX-415の発振コイル
PX-415の発振コイル
端子部の結線が断線していた
とてもシンプルなPX-415の操作部

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