日本ビクター FT-261

中波/FM 2バンド 8石スーパー

JVC FT-261
ケースに貼られているFT-261の銘板

 日本ビクター(Victor Company of Japan, Limited)の1960年代後半~1970年代前半の製品と思われる.中波は530~1600kHz,FMは76~90MHzの2バンドのホーム・ラジオ(AC100Vのみ).操作は音量/音質/バンド切り替え/選局はフロントパネルに集約されており,木製のキャビネットは高級感があるもの.当時のサイドボードなどのインテリアとのマッチングは良かったと思う.

JVC FT-261
高級感を醸し出す木製キャビネット
JVC FT-261
本機のリアパネル

 選局機構は糸掛け式で,真空管ラジオに近いもの.2つの基板が取り付けられているシャーシを外すには,周波数表示指針を取り外す必要がある.バリコンの後方にはFM用のフロントエンド基板が搭載されて,AMとFMのIF段以降はメイン基板に搭載されている.またFMステレオアダプタ用と思われるAC アウトレットも装備されている.

JVC FT-261の内部
本機の内部
JVC FT-261のFMフロントエンド
AM/FM 2バンドなので4連のエア・バリコンが使用される

 長いバー・アンテナを使用しており中波帯の感度はホーム・ラジオとして現在でも十分な性能.FMはダイポール・アンテナなどの接続が必要で,簡易的なワイヤなどを使うと感度は低い.AM/FMともホーム・ラジオとして使える音質で,長く聞いていても疲れない,音声出力は余裕の2.5W.

JVC FT-261の端子
2つRCAジャックが装備されている

リアパネルに2つのRCAジャックがある.右側がFM検波出力(MPX OUT)と思われ,ステレオ・アダプタを接続してステレオ復調を行う端子.右側が音声入力端子で,バンド切り替えを「STREO」にすることでこの端子に入力された音声が再生される.





-入手時の状態-
 これも動作不明のいただきもの.実際には電源が入らず動作しないものだった.電源部の抵抗断線とコンデンサのパンクを修理して,「火入れ」をしていると,ほとんど聞こえないほどIFTなどが離調していた.音量/音質の「ガリ」も酷いものだった.可変抵抗のガリ対策を行い.AM/FMそれぞれの調整を行って復活.

周波数スケールの針
糸掛け機構の指針


 真空管式を含めてシャーシを取り出すには,周波数表示の指針を外さないと糸掛け同調機能を壊してしまうので十分注意が必要.

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