現代のポータブルラジオ
現行品で販売されているLW/MW/SW/FMのポータブルラジオ(2022年3月現在,価格は9千円ほど).長波153~513kHz/中波525~1620kHz/短波2.3~21.950MHzHz/FM76~108MHz(設定で変えられる)の受信が可能.
選局はダイヤルで選局するか,直接テンキーで周波数を入力することもできる.各バンドごとにメモリに周波数を記憶をして,ダイヤルで呼び出すことも可能.あくまでもラジオなのでメモリスキャンなどの機能ない.SW/FM用にミニプラグ用の外部アンテナ端子があるので別にアンテナを接続することもできる(LW/MWは内蔵アンテナのみ).
電池は単3電池×3本を使用し,USBの5Vを使うことも可能.全体の感度はラジオとして十分な性能で,構造的にイメージ妨害もないので店主は本機をレファレンスとして使用している.音質はクリアな印象で十分な音量がある(180mW).海外からのOEMとのことだが,本機の質感はしっかりしており日本語の取扱説明書も付属し違和感は無い.
-DSPラジオの特徴-
本機の内部はDSPと呼ばれる素子を使いデジタルで動作している.当然バリコンや可変抵抗などのパーツは使用していない.選局ダイヤルや音量もエンコーダと呼ばれるスイッチの一種を用いている.
本機は「AM帯域幅」ボタンでLW/MW/SWの帯域幅を6kHz/4kHz/3kHz/2kHz/1kHzと切り替えることができ,これもDSPならではの機能.なお本機ではSSBの復調(アマチュア無線や洋上管制などに使用されている)は出来ない.さらにDSPなのでスーパーヘテロダインとは異なりイメージ妨害はないので、短波受信機としての性能は高いといえる.過去にBCL受信機の要件とされた「感度」「選択度」「周波数直読」「外部アンテナ端子」の機能を高いレベルで備えている.1万円を切る価格でこうしたラジオが入手出来るのはデジタル技術の進歩のおかげ.ラジオとしては機能が多いので取扱説明書は必須でスカイセンサーやクーガなどを動かすような「操作を楽しむ」ことはこうしたDSPラジオでは味わえず,操作感はデジタル・ガジェッドそのものと感じるのは仕方ないのだろう(内部はデジタル機器).
–長波で遊んでみる-
長波放送は海外でも廃止の方向とのことで,日本で放送を聞ける機会は少ない.しかし455kHzが受信できるので,他のラジオと数cmくらいの至近距離なると455kHzのIF信号(中間周波数)を受信することができ,こうした遊びもできる楽しく実用的なラジオ.ラジオ好きなら手元に置いておきたい機種.