中波/短波2バンド トランスレス5球スーパー
中波は535~1600kHz,短波は3.8~12MHzの2バンドでバンド切り替えはフロントパネルのスイッチで行う.1960年代の比較的新しいタイプなので,中波帯はフェライトバー・アンテナが内蔵され外部アンテナなしで十分実用となる.
外部アンテナ端子として中波(Abc)と短波(Asw)それぞれリード線が出ており,短波は外部アンテナを接続すると実用的な感度となる.選局つまみの減速比が低くないのでBCLには微妙な選局操作が必要となる.ラジオ日経や近隣国から日本語放送受信などの用途には十分.
プラスチックボディではあるが,しっかりした音質で長く聞いていても疲れない音質.イヤホン端子は当時のクリスタル・イヤホンを接続するもので,イヤホンをつなぐと電力増幅段がカットさせるしくみとなっている.
–購入時の状態-
これは外観の状態がとてもよくオリジナルの個装箱に入っていたもの.そのためオークションでの購入価格は不動品にしては高価だった.購入時の状態はコンデンサのパンクとシャーシを外した際の同調機構の糸切れで,電源は入らずダイヤルはスカスカ状態だった.
-修理-
目視でパンクしているコンデンサを見つけて交換し(耐圧は必ず守る),撚って接続してビニルテープで絶縁していた電源コードを交換して電源部を確認して電源投入をする.その後は各部の電圧に異常がないことを慎重に確認する(トランスレス型は特に慎重に行うこと).電源が入るとノイズ音が聞こえたので,同調機構の糸を張る.受信を確認出来たところで,455KHzを入力してIFTを最大感度に調整を行う.ダイアルの周波数と若干のズレはあるが中波と短波の受信が出来ることを確認.
–調整-
これは別途コンテンツとして用意する予定.概要は最初に中波で535kHzがダイヤルの左端になるように,中波用の発振コイルを調整し,ダイヤルの右端で1600kHzとなるように発振側のバリコン・トリマを調整する.中波の場合750kHzと1200kHz付近で感度が最大となるように中波用のアンテナ側のバリコン・トリマを調整する.これを数度行いケースの周波数表示の位置に指針を合わせる(この作業には設備と慣れが必要).中波の調整後に短波も同様の調整を行う.