中波/FM2バンド 9石スーパー
松下電子工業製の1973年頃の製品と思われる.中波は525~1605kHz,FMは76~90MHzの2バンドでバンド切り替えはリアのスイッチで行う.選局機構は糸掛け式でAMとFMの選局にはちょうどいい減速比でイヤホンとDC9Vの端子も搭載されており,現在でも十分な実用性がある.音声出力は250mW.
電池は006P(9V)を使用し,中波帯の感度はポケットラジオとして標準的なものの現在でも十分な性能.FMの感度は実用に使えるが,21世紀のラジオを比較すると少し低い感じがする.音質はポケットラジオとしては標準的な印象.
-AM/FM 2バンドラジオの特徴-
中波と短波の2バンドの場合は,1セットの2連バリコンを共有して同調/発振コイルを切り替えるものがほとんど(同調機構付きの高周波増幅回路付きを除く).
周波数帯域が大きく異なる,中波帯とVHF帯ではバリコンの共用は難しく,AM(0.53~1.6MHz)とFM(76~90MHz)それぞれで2連バリコンが必要となり4連バリコンとなっている.AMとFMは周波数帯域が大きく異なり,検波(音声信の号取り出し)の方法も異なる.そのためAM/FM 2バンドラジオはAMとFMはそれぞれの調整が必要となる.
-ボリュームのガリ対策-
修理というほどではないが,ボリュームのガリ対策をしてみた.ケースはこのごろの標準となっていたコインで開閉できるタイプ.しかしコインを使うと開閉部を痛めるので,布を挟んで大型のマイナスドライバでていねいにふたを開く配慮は必要.
ボリュームのつまみを外すと,可変抵抗部はカバーがされている.これをピンセットでていねいに外すと,接点にアクセスできる.極少量の接点復活材をピンセットの先に付けてから,接点部に塗布してボリュームを数度動かして終了.接点復活材は極少量を用いることが作業のコツ.接点復活材の付けすぎは「害あって益なし」.
-入手時の状態-
これは友人からいただき物で,電池の液漏れ跡もなく50年近く経過しているものの外観は奇麗といえる.ボリュームの「ガリ」はあるもののAM/FMの受信は動作した.
-ボリュームのガリ対策-
修理というほどではないが,ボリュームのガリ対策をしてみた.ケースは当時の標準となっていたコインで開閉できるタイプ.しかしコインを使うと開閉部を痛めるので,布を挟んで大型のマイナスドライバでていねいにふたを開く配慮は必要.
ボリュームのつまみを外すと,可変抵抗部はカバーがされている.これをピンセットでていねいに外すと,接点にアクセスできる.極少量の接点復活材をピンセットの先に付けてから,接点部に塗布してボリュームを数度動かして終了.接点復活剤は極少量を用いることが作業のコツ.接点復活剤の付けすぎは「害あって益なし」.